ヴァイオリンを弾くということ
耳から覚えたメロディーをそのまま楽器で表現(演奏)することはとても大事なことだと思います。
しかし、残念ながらどんな曲に対してもそのような事をする能力は、いわゆる普通の人にはできません。
楽器を自由に操り、どんな曲をも演奏するためには楽譜が必要になってきます。ですから、ヴァイオリンを上手に弾くためには、まず、楽譜を読む力を養うことが重要な課題になってきます。
ヴァイオリンの場合、初歩段階では18の音を覚えるだけですが、最初から正確に覚えることの大切さを理解している生徒さんは少ないです。
そこで、レッスンでは、徹底的に音と弦を押さえる指の位置を体得することを基本としています。
初心者の方でも18ある音の中の数音は、正しく聞き分けることができますので、まずは、そこの音から
覚えて行くことを基本に指導しております。
弓のどの位置(手元に近い、中ほど、先のほう)で弾いたら曲の雰囲気が出せるかということも重要な技術的要素の一つです。
使う弓の量(弦にあてる位置と長さ)、弦と弓の角度、圧力、弓の速さなど様々な要素で出てくる音は全く異なりますのでヴァイオリンを演奏するための大変重要なポイントです。
「弓をまだうまく持てない段階でそのような事まで必要なのか?」と思われるかもしれません。
最初からいろいろなことに気を配りながら弾く練習は、大変なうえ、実際思うようになりませんが、できなくても「そうしなければ」と考えることが大切です。
集中して、気を使いながら練習することが次第に身につき、自然に弓を使うことができるようになります。
また、いい音、そして自分の好きな音、そしてすてきな音色で弾こうという意志を持つことです。
「ヴァイオリンは、このように弾くものだ!」と習慣づけ体で覚えることが上達のコツなのです。
次第に、からだ全体の余分な力を抜いて演奏することができるようになります。
曲に対しての音楽的感性は人それぞれで違います。先生にはこのように弾くようにと指導されたが、私はそれとは違う弾き方で曲の感じを出したい!と思えるようになったら、とてもすばらしいことです。
それは、自分の中で思い描いている音を出すことを考えられるようになった証拠ですね。
もちろん、最初から音程、音色、弓の配分、弦に対しての弓の角度と位置、曲風等々を同時に配慮しながらヴァイオリンを弾くことは無理です。
気をつける部分を時間をかけて少しずつゆっくりと増やして行くことをお手伝いします。
練習は、「一度の量より質と頻度(繰り返し)が大切」
正確なポジショニングで
おおざっぱな指の位置(左手)で一曲弾いたとしても何も得るものはありません。
何小節という単位で良いので、まずは正しく楽器を構えてから指の支点と指の位置を正確にとって練習しましょう。
毎日10分の積み重ね
一週間の中で1日だけ1時間練習するより、毎日10分の練習のほうがより効果があります。
ヴァイオリンのより良い練習のために
○手を清潔に
○爪を切ること(特に左手)
○襟が厚手の服は避けること
袖が長いものや袖がボテッとしているものも弾きにくいので着ないこと
○弾き終わったら楽器の手入れをすること
やわらかい布でヴァイオリンの楽器の表面、弓の棒の部分をふきましょう
(弓にこすりつけた松やにがサラサラの細かい粉状になって飛び散り、それが楽器に付着し時間が経つとこびりついて取れなくなります)
ヴァイオリンを始められる方にお教えすることですが、特にお子様の場合、楽器をていねいに扱うことで大切なものという意識が生まれ、 大事に思うことからヴァイオリンを好きになり、ヴァイオリンの上達するための好ましい心が芽生えてきます。
ぜひ一緒に、楽しいレッスンをしましょう!